松尾芭蕉
松尾芭蕉は19才に書き残した句が最も古く、最初に残された句とされています。その後は51才で生涯を終えるまで、多くの旅の俳句を残しています。
有名な旅には「野ざらし紀行」「笈の小文」「奥の細道」と、この3つの旅の記録が、松尾芭蕉の生涯の大きな旅だとされています。
旅の俳聖である芭蕉翁のその生涯や、俳句にまつわるさまざまな情報をご紹介してゆきますね。
松尾芭蕉が旅の俳聖であったことにあやかりこのページにも俳句の旅というタイトルを付けました。
これからお越し下さる皆様に楽しい俳句の旅をご覧頂けたら幸いです。
松尾芭蕉略歴
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1644 寛永 21年 :伊賀国(現・三重県伊賀市)農民の子として生まれる
1657 明暦 3年 13歳 :父・与左衛門が死去、兄の半左衛門が家督を継ぐ
1662 寛文 2年 19歳:残されている最初の句を詠む。
1664 寛文 4年 21歳:松江重頼撰の「佐夜中山集」に松尾宗房の名で初入集
1672 寛文 12年 29歳:処女句集「貝おほひ」を上野天満宮(三重県伊賀市)に奉納する
1674 延宝 2年 30歳:「俳諧埋木」が伝授され、江戸へ向かう
1675 延宝 3年 32歳:桃青と名乗る
1677 延宝 5年 34歳:水戸藩邸の防火用水工事に携わる
1678 延宝 6年 35歳:職業的な俳諧師となる
1680 延宝 8年 37歳:深川に居を移し(芭蕉庵)、芭蕉の号を使い始める
1682 天和 2年 39歳:天和の大火で庵を焼失する(翌年再建)
1683 天和 3年 40歳:「野ざらし紀行」の旅に出る
1684 貞享 元年 41歳:江戸にもどる
1685 貞享 2年 42歳:『古池や蛙飛びこむ水の音』
1686 貞享 3年 43歳:伊勢神宮、吉野、京都、信州・善光寺を歴訪「更科紀行」
1689 元禄 2年 46歳:弟子の曾良を伴い「奥の細道」の旅に出る
『閑さや岩にしみ入る蝉の声』 山形
『五月雨をあつめて早し最上川』 山形
『荒海や佐渡によこたふ天河』 新潟
大垣に着く
京都に入り、年末は近江義仲寺の無名庵で過ごす1690 元禄 3年 47歳:近江の幻住庵に滞在する
1691 元禄 4年 48歳:京都に滞在し「猿蓑」の編纂に取り組む
江戸にもどる1692 元禄 5年 49歳:新築の芭蕉庵へ移り住む
1694 元禄 7年 51歳:江戸を発ち伊賀上野へ向かう
奈良から大坂へ赴くが、体調を崩し病状が悪化
死去
松尾芭蕉「奥の細道」の俳句一覧
「奥の細道」より
1草の戸も住み替る代ぞひなの家
季語 ひなの家
切れ字 ぞ
季語 春
切れ字 や
季語 青葉 若葉
切れ字
4剃捨て黒髪山に衣更・・・・・曾良
季語 衣更
切れ字
季語 夏
切れ字 や
6かさねとは八重撫子の名成べし・・・・・曾良
季語 撫子
切れ字 (「べし」助動詞終止形。命令形や形容詞の活用語尾ではない。)
7夏山に足駄を拝む首途哉
季語 夏山
切れ字 哉
8木啄も庵はやぶらず夏木立
季語 夏木立
切れ字 ず
9野を横に馬牽むけよほとゝぎす
季語 ほととぎす
切れ字 よ
季語 柳
切れ字 かな
11卯の花をかざしに関の晴着かな・・・・・曾良
季語 卯の花
切れ字 かな
季語 田植
切れ字 や
季語 栗の花
切れ字 や
季語 早苗
切れ字 や
15笈も太刀も五月にかざれ帋幟
季語 五月
切れ字 れ
16笠島はいづこさ月のぬかり道
季語 さ月
切れ字
17桜より松は二木を三月越シ
季語 桜
切れ字(「越す」動詞連用形。命令形や形容詞活用などの語尾ではない。)
18あやめ草足に結ん草鞋の緒
季語 あやめ草
切れ字
19松島や鶴に身をかれほとゝぎす・・・・・曾良
季語 ほとゝぎす
切れ字 や
20夏草や兵どもが夢の跡
季語 夏草
切れ字 や
21卯の花に兼房みゆる白毛かな・・・・・・曾良
季語 卯の花
切れ字 かな
22五月雨の降のこしてや光堂
季語 五月雨
切れ字 や
23蚤虱馬の尿する枕もと
季語 蚤虱
切れ字
24涼しさを我宿にしてねまる也
季語 涼し
切れ字
25這出よかひやが下のひきの声
季語 ひき
切れ字 よ
26まゆはきを俤にして紅粉の花
季語 紅の花
切れ字
27蚕飼する人は古代のすがた哉・・・・・・曾良
季語 蚕養
切れ字 哉
28閑さや岩にしみ入蝉の声
季語 蝉の声
切れ字 や
29五月雨をあつめて早し最上川
季語 五月雨
切れ字 し
30有難や雪をかほらす南谷
季語 雪
切れ字 や
31涼しさやほの三か月の羽黒山
季語 涼し
切れ字 や
32雲の峰幾つ崩て月の山
季語 雲の峰
切れ字
33語られぬ湯殿にぬらす袂かな
季語
切れ字 かな
34湯殿山銭ふむ道の泪かな・・・・・・・・曾良
季語
切れ字 かな
35あつみ山や吹浦かけて夕すゞみ
季語 夕すゞみ
切れ字 や
36暑き日を海にいれたり最上川
季語 暑き日
切れ字
37象潟や雨に西施がねぶの花
季語 ねぶの花
切れ字 や
38汐越や鶴はぎぬれて海涼し
季語 涼し
切れ字 や
39象潟や料理何くふ神祭・・・・・・・・・曾良
季語 祭
切れ字 や
40蜑の家や戸板を敷て夕涼・・・・・・・・低耳(みのの国の商人)
季語 夕涼
切れ字 や
41波こえぬ契ありてやみさごの巣・・・・・曾良
季語
切れ字 や
42文月や六日も常の夜には似ず
季語 文月
切れ字 や
43荒海や佐渡によこたふ天河
季語 天河
切れ字 や
44一家に遊女もねたり萩と月
季語 萩と月
切れ字
45わせの香や分入右は有磯海
季語 わせ
切れ字 や
46塚も動け我泣声は秋の風
季語 秋の風
切れ字 け
47秋涼し手毎にむけや瓜茄子
季語 秋涼し
切れ字 や
48あか〱と日は難面もあきの風
季語 あきの風
切れ字
49しほやしき名や小松吹萩すゝき
季語 萩すゝき
切れ字 や
50むざんやな甲の下のきり〲す
季語 きりぎりす
切れ字
51石山の石より白し秋の風
季語 秋の風
切れ字 し
52山中や菊はたおらぬ湯の匂
季語 菊
切れ字 や
53行〱てたふれ伏とも萩の原・・・・・・曾良
季語 萩
切れ字
54今日よりや書付消さん笠の露
季語 露
切れ字 や
季語 秋風
切れ字 や
56庭掃きて出ばや寺に散柳
季語 散柳
切れ字 や
57物書て扇引さく余波哉
季語 扇
切れ字 哉
58月清し遊行のもてる砂の上
季語 月
切れ字 し
59名月や北国日和定なき
季語 名月
切れ字 や
60寂しさや須磨にかちたる浜の秋
季語 浜の秋
切れ字 や
61浪の間や小貝にまじる萩の塵
季語 萩の塵
切れ字 や
62蛤のふたみにわかれ行秋ぞ
季語 行秋
切れ字 ぞ