芭蕉の旅「奥の細道」No16・石の巻

石の巻

12日、平泉を目指し進みます。姉歯の松、緒だえの橋など歌枕に言い伝えられている、なかなか見ることん出来ない景観に、雉や兎の猟師や草刈りや木こりまでもが行き来する道が、いったいどこにあるのか解らないような山奥で、しまいには道を間違えてしまいました。

とうとう石の巻という港に出てしまいます。「こがね花咲」とお読みする金花山という島を海の上に見渡し、数百もの輸送船がこの入り江に集まり、人の住む家は所せましとひしめき、かまどの煙は途絶えることが無いほど立ち続けています。

思いもよらずにこの地に来てしまったものだと芭蕉は宿をとろうとしますが、宿もいっぱいでなかなか取れません。やっとのことで貧しい小家に一夜をかり、夜が明ければ、また知るすべもない道を迷いながら行くのでした。

北上川の渡し場をわたり、尾ぶちの牧、真野の萱原などを横目に眺めながら、はるかに続く堤を行きます。心細くなりながらも長い沼に添って進み、戸伊摩という所に一泊して、平泉へと至りました。

その間、二十里余りもあったと芭蕉は覚えているとあります。