芭蕉の旅「奥の細道」No26・全昌寺、汐越の松

全昌寺、汐越の松

大聖寺の場外にある全昌寺という寺に泊まります。

ここは加賀の地であり、曾良が前夜に泊まっていました。そこで、芭蕉は一句詠んでいます。

一夜を隔てて、まるで千里の隔たりがあるかのようだとあります。

芭蕉も秋風を聞きながら、この禅寺の宿舎に寝れば、朝の空が明けはじめる頃には読経の声が聞こえ、その後に鐘板が鳴ると食堂に入ります。今日は越前の国へと、心がはやされる思いで宿舎を下ろうとすると、若い僧たちが、紙と硯を抱えて階段の下まで追いかけて来ました。

ちょうどこの季節の折、庭に柳が散る姿を見て、芭蕉は一句詠み、兎に角、墨をさまして草鞋を履きながら書き残したとあります。

そして、越前の境である吉崎の入り江の舟に棹をさしながら進み、浜坂の岬にあるという汐越の松を尋ねます。

ここには西行の歌があり、この一首は、数多くのどんな景色にもまさると言います。

もしも、この首に何か一言でも物言うものがいたとしても、無用のことでありましょうと書かれています。