生まれ故郷・九十九里浜
炎帝の召され九十九里浜の朝 上野貴子(ページタイトル画にて)
人はいつでも心のどこかに、自分の生まれ育ったふるさとの思い出を大切にしまい込んで、変わりゆく日常の暮らしに追われ忙しなく生きているものです。そんな毎日の狭間で、ふと立ち止まってみると、そこには時を越えたふるさとの思い出が心の奥底からこみ上げてきて、まるで幼い少女の頃にでもタイムスリープしてしまったかの様な気持ちになります。
ゆく春の落書きたどり記念館 上野貴子
私の故郷にはいとうさちおと言う郷土の偉人が居て記念館が有名ですが、この記念館の歌碑を思うと、まるで時が止まってしまったような歴史の重みに胸が切なくなります。
太陽の昇る町へと花峠 上野貴子
そして、そんな故郷から都会の町へ夢を抱えて上京した学生時代を思い出すのです。
海までの道を青田の波そよぐ 上野貴子
いつまでも変わることの無い永遠のふるさと、それはかけがえのない心のまほろばと言えるに違いありません。
(Mahoroba・No4,2010年掲載より)