芭蕉の詠んだ五月の一句

芭蕉が「奥の細道」五月を詠んだ句が3句あります。

その中でも一番有名な句が

「五月雨をあつめて早し最上川・・・芭蕉」

この句ではないでしょうか。
最上川の川下りを詠んだ句ですが、この句の原句は
「五月雨をあつめて涼し最上川」だったと言われます。
芭蕉は川下りの船着き場で、まずは原句と言われる句を詠んでいます。
そして、実際に舟に乗り、川を下りその臨場感を
「五月雨をあつめて早し最上川」と推敲したと言われます。
涼しい川の流れを詠んだ原句が
実際に川を下り厳しい渓流のようなその流れの早さを経験して
早しとしています。

五月の雨に水嵩が増していて、川の水を沢山の支流や山肌から集めて流れているその光景は涼し気なだけでは言い表せない動きのあるスリル満点の川下りだったようですね。

他に、「笈も太刀もかざして見せよ帋幟」「笠島はいづこさ月のぬかり道」
の句が奥の細道で詠まれています。

 

五月の句

● 五月の芭蕉の句を探してみました。結構ありますね。

五月雨に御物遠や月の顔
五月雨も瀬ぶみ尋ぬ見馴河
五月雨に鳰の浮巣を見に行む
五月雨や桶の輪切る夜の声
髪はえて容顔蒼し五月雨
海ははれてひえふりのこす五月哉
日の道や葵傾くさ月あめ
笈も太刀も五月にかざれ紙幟
笠島はいづこさ月のぬかり道
五月雨の降りのこしてや光堂
五月の雨岩ひばの緑いつ迄ぞ
目にかゝる時やことさら五月富士
五月雨は滝降うづむみかさ哉
さみだれや蚕煩ふ桑の畑
さみだれの空吹おとせ大井川
五月雨をあつめて早し最上川

ざっと拾い集めてみても十句以上ありました。勿論、有名な「奥の細道」最上川の句もありますね。やはり五月は初夏の自然の美しさと、長雨の風情とが相まって、芭蕉の句ごころを掻き立てるものがあるのでしょうか。
今でも、五月の頃は緑の美しい風薫る過ごしやすい季節です。
(2017・5・9)

以前、五月というキーワードで芭蕉の詠んだ句を探してみましたが、案外奥の細道の句が抜けていましたので、新たに一覧に付け加えました。

笠島はいづこさ月のぬかり道
五月雨の降りのこしてや光堂

この2句を加えました。奥の細道では意外と面白い抄の有名な句に五月が多いのですね。今年も改めてビックリ!(2020・5・3)

芭蕉が詠んだ「五月雨」

芭蕉は「奥の細道」の中で、五月雨の句を何句か詠んでいます。

まずは、平泉の章

五月雨の降のこしてや光堂・・・芭蕉

この句は、中尊寺の金色堂を詠んだとされて有名ですね。

そして、もう一句は、最上川の章

五月雨を集めて早し最上川・・・芭蕉

この句は最上川の広大な川下りを詠んでいます。

どちらも「五月雨」ですから五月の頃の句ですね。

芭蕉は、奥の細道で江戸から日光を通り白川の関を越えて松島を巡り、そして中尊寺から山寺、そして更に、最上川を下り日本海の酒田へ出ます。

この二句は、その太平洋から日本海へと日本列島を横断する際に詠まれた二句ですね。

厳しい難所をいくつも歩き、そして、今でも有名な観光地である中尊寺や最上川で詠んでいます。

五月の長雨が降りつづくなかでの旅であったことが読み取れますね。