もうすぐ今年の十五夜様ですね。2018年は9月24日が仲秋の名月に当たります。
お月見と言えば誰でも知っている名月の句、そうです芭蕉ならば池の句、そして、一茶ならば泣く子かなの句がありますね。
この2句を鑑賞してみましょう。
芭蕉の詠んだ月の名句
名月や池をめぐりて夜もすがら 松尾芭蕉
芭蕉43才の頃
解釈:仲秋の名月を眺めながら池の周りを歩いていたら、いつの間にか夜が明けてしまい、一晩中美しい月に目を奪われ眺めていたことだ。
この句は深川の草庵にて貞享3年の句とされています。
この月見会には、其角の他にも何人かの弟子達が集まったとあります。
句に出てくる「池」とは「蛙飛び込む」の句でも有名な芭蕉庵の古池でしょう。
一茶の詠んだ月の名句
名月を取ってくれろと泣く子かな 小林一茶
一茶57才の頃
解釈:背中に背負われた幼子が、名月を取ってほしいとだだをこねて泣いていることだ。
この句では一茶が早くに亡くした我が子への思いを詠み込んでいるのかも知れません。儚く哀れさを感じるようにも読み取れます。